ゆるりと快適な住まい方を探る

北関東の高気密住宅での暮らし

床下エアコンはとても快適という話

 

今朝は氷点下にならない朝でしたのでペアガラスでも結露はごくわずかでした。

前回の記事で書いたようにわが家の場合は真冬の一時期さえ結露の拭き取りをしていれば室内環境は良好に保てそうです。

frowny532167.hatenablog.com

 

さて、しばらくは室温や湿度、換気などの温熱環境シリーズが続きますが、本日は床下エアコンについて書きたいと思います。

 

 

床下エアコンとは?

高気密校断熱の家を検討中もしくは建てられた方にとってはそれほど珍しい仕組みではないと思いますが、わが家の暖房は「床下エアコン」1台で賄っています。

【参考】床下エアコン全館空調システム

 

一般的な壁掛けエアコンを写真のように床下に半分めり込ませる形で設置し、上部から室内を取り込み床下に暖気を噴射、床下に広がった暖気は1F床に設けられたガラリから室内に上がってくるという仕組みです。

吸気口が室内側にあることで吸気が設定温度に達してエアコンが停止してしまうことを防いでいます。初めて床下エアコンを知ったときには「よくできた仕組みだな〜」と素人ながら感心した記憶があります。

使い方や方式にはいくつか流派(?)があり、24時間運転をする場合も夜間のみ運転する場合もあるようです。わが家は基本的に夜間のみ使用し、ガラリからの温風+基礎コンクリートへの蓄熱・ゆるやかな放熱で家全体を温めるという使い方になると思います

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床下エアコンって実際どうなの?

実際に使ってみての感想ですが、率直に「とても快適」だと感じました

わが家では上にも書いたように夜間運転による蓄熱・放熱がメインの使い方なので、18時以降に20℃を切ったらエアコンを作動させ、朝の6時には切るという運用にしています。天気がよく日射熱取得ができた日は24時前後、日射が少なく温度が上がらなかった日は18〜20時頃にエアコンをつけることが多いです。

以前に住宅展示場で体験した電気式の床暖房システムの「しっかり暖かい」のと比べると、床下エアコンは「ほんのり暖かい」という感じ。直接乾燥した温風が身体に当たることもなく足元からほんのりと温まり、エアコンを切ったあとも数時間はじんわりと暖かいですね。このあたりは蓄熱の効果なのだと思います。

 

最近1週間の実際の室温記録(上が1階東側、下が2階西側)。室温がぐっと上がっているのが日中に日射取得のある時間帯、一度下がってから少し上がっているのが夜間の床下エアコン運転時間になります。今日は天気予報に反して日射なし&冷え込んだので18時頃には珍しく19℃を下回りました。なお、床の暖かさには差を感じますが1階と2階で温度差はほとんどありません

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家の性能とエアコンのスペック

高気密校断熱の家ではカタログに書かれた畳数どおりにエアコンを購入するとオーバースペックになることはよく知られています。わが家では工務店に選んでもらったのでそのあたりのことは特に考えずに住み始めたのですが、せっかくなので家の性能とエアコンのスペックを整理してみました(マニアックな内容なので適宜読み飛ばしてください)。

 

実はわが家はC値以外のスペックはちゃんと聞いておらず曖昧なのですが、フラット35申請時の検査結果報告書によるとUA0.5W/K、熱損失量は240W/Kになります。各種サイトを参考に計算してみるとQ値(熱損失係数)は1.9になりますね。

【参考】熱損失係数(Q値)(W/m2K)とは|ホームズ君よくわかる省エネ

 

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数値を整理してみて驚いたのは計画換気による熱損失量の大きさ!

工務店からコスト面でのメリットはあまりないと助言を受けて納得して第三種換気にしたので後悔はないですが、数値をみるとやはり換気による熱損失はもったいないな、、、と感じてしまいます。

このあたりの対策はまた別の記書きたいと思いますが、仮に換気量を半分に抑えてハニカムブラインドをしっかり使った場合にどうなるか、と考えて試算してみたところQ値は1.6になりました。不正確な部分もあると思いますがこれでHEAT20のG2グレードくらいですね。

【参考】性能値一覧 | 窓の可変断熱《ハニカムaSsu》

 

以上のQ値(仮)をもとに最適なエアコンの暖房能力を調べてみます。

床下エアコンの生みの親(のお一人)である松尾設計事務所の松尾先生が提示したエアコンの適正サイズの計算方法によると、吹き抜けを含むわが家の暖房空間(126.68㎡)に必要な暖房能力は5.6kwになります

www.nikkei.com

 

床下に設置されているエアコン(富士通製ノクリア AS-V56J2)の定格暖房能力は6.7kwなので十分なの性能ですね。エアコンは定格能力を多少下回る出力で運転するのが最も効率が良いということなので、(当たり前かもしれませんが)わが家に最適なエアコンを選んでくれているんだな、再確認しました。

ちなみにQ値1.9で必要暖房能力を計算すると6.7kwとなりますので、24時間換気を回し続けてハニカムブラインドを一切使わなくても計算上の必要性能を満たしています。ただ、これだと真冬はエアコンが目一杯働くことになり消費電力が上がりそうですね。

 

住んでみて、そして数値を整理してみて、換気と室温(そして湿度)がいかに密接に関係しているかを実感しています。わが家でのこれらの管理はまだ模索中のところもありますが、その試行錯誤も含めてまたご報告できればと思います。