SwitchBot温湿度計で室温と湿度を常時モニタリングする
オミクロン株、あっという間に広がってしまいましたね。
わが家でも子どもの通う園で濃厚接触者が出たため数日間、学級閉鎖になりました。
幸い私は在宅でもある程度なんとかなる仕事なので良いですが、子ども2人の面倒を見ながらとなると仕事効率的にはちょっと厳しいですね。
さて、前回記事では床下エアコンについて書きましたが、今日はわが家の室温・湿度管理のベースとなるSwtchBot温湿度計について紹介したいと思います。
SwtichBot温湿度計による室温・湿度の測定
室温や湿度の管理は快適に住まうために欠かすことのできない基本情報かと思います。
精度と価格のバランス、絶対湿度を表示できるということで工務店からは「みはりん坊W」を勧められましたが、私はデータを残しておきたかったこともありデータロガー機能を重視してSwitchBot温湿度計を使っています。
搭載しているセンサーも高精度のようですし、価格も良心的なのでおすすめだと思います。
今のところSwtichBot温湿度計を3台ありますが、3台並べて温湿度を比べてみたところうち2台はカタログ表記の誤差範囲に収まっていました。
3台目は若干ズレが気になったので、校正機能を使って温度−0.5℃、湿度+2%の調整をして3台がほぼ同じ数値となるようにしています。
数値が揃っている2台が正確である保証はないのですが、3台の間でズレがないことが重要だったのでこれで良しとしています。
データの記録と常時モニタリング
データはアプリから確認ができますし、詳しく分析をしたい人はcsv形式でエクスポートすることもできます。
ときどき経過を確認するくらいであればアプリで表示されるグラフで十分なのですが、前年度の比較など経過を追いたいということもあり私はGoogleスプレッドシートに記録・グラフ化して管理をしています。
ちょっと見にくいですがこんな感じです。
いちいちcsvファイルからデータを転機してグラフを更新するのは面倒だな、、、と思っていたら、同じようなことを考えて実践されている先人がいるものですね。
リンク先の記事ではSwitchBotから任意の時間間隔でデータをGoogleスプレッドシートに取り込むスクリプトを公開しています(ただしSwitchBot hub miniも必要)。
私自身はプログラミングの知識は皆無ですが、特に苦労することなく2時間おきに3台の温湿度計の室温・相対湿度・容積絶対湿度(g/㎥)をスプレッドシートに自動記録できるようになりました。
【参考】GoogleAppsScriptでSwitchBot温湿度計のデータを取り込みスプレッドシートに記録する - Qiita
なお、湿度を管理をする上では相対湿度(%)よりも絶対湿度(空気中の水蒸気量)のほうが圧倒的に扱いやすいです。
上記のスクリプトでは容積あたりの水蒸気量である「容積絶対湿度(g/㎥)」が自動的に計算されますが、空調関係では重量あたりの水蒸気量である「重量絶対湿度(g/kg)」を用いるようですので、私は下記の計算式をスクリプトに追記して重量絶対湿度も算出できるようにしてあります。
=0.622*(6.1078*10^(7.5*t/(t+237.3))*RH/100)/(P-(6.1078*10^(7.5*t/(t+237.3))*RH/100))*1000
t:室温 RH:相対湿度
【参考】温度と相対湿度から(容積・重量)絶対湿度を計算するツール | さとるパパの住宅論
最近1週間の平均室温
この1週間も1階と2階で温度・湿度にほとんど差はありませんでした。
床下エアコンから一番遠くにある1階西側の浴室&脱衣室は下表の平均温度からマイナス0.5〜1.0℃くらいの感じになりますが、全体的にはどの部屋に行っても温度がそれほど変わらないのは快適性に大きく寄与していると感じます。
なお、わが家は日射熱取得を重視した家、言い換えれば日射への依存度が高い家なので、日中と夜間・朝方との室温差はある程度は仕方ないかなと思っています。
付加断熱、全窓トリプル樹脂サッシ、第一種換気のような超高断熱仕様の家であれば日射への依存度が低くなるはずなのでもう少し室温の上下動が少なくなるのでしょうね。
SwtichBotシリーズによる温熱環境調整の自動化はいろいろ試していることもありますので、次回以降の記事でまたご紹介できればと思います。
床下エアコンはとても快適という話
今朝は氷点下にならない朝でしたのでペアガラスでも結露はごくわずかでした。
前回の記事で書いたようにわが家の場合は真冬の一時期さえ結露の拭き取りをしていれば室内環境は良好に保てそうです。
さて、しばらくは室温や湿度、換気などの温熱環境シリーズが続きますが、本日は床下エアコンについて書きたいと思います。
床下エアコンとは?
高気密校断熱の家を検討中もしくは建てられた方にとってはそれほど珍しい仕組みではないと思いますが、わが家の暖房は「床下エアコン」1台で賄っています。
【参考】床下エアコン全館空調システム
一般的な壁掛けエアコンを写真のように床下に半分めり込ませる形で設置し、上部から室内を取り込み床下に暖気を噴射、床下に広がった暖気は1F床に設けられたガラリから室内に上がってくるという仕組みです。
吸気口が室内側にあることで吸気が設定温度に達してエアコンが停止してしまうことを防いでいます。初めて床下エアコンを知ったときには「よくできた仕組みだな〜」と素人ながら感心した記憶があります。
使い方や方式にはいくつか流派(?)があり、24時間運転をする場合も夜間のみ運転する場合もあるようです。わが家は基本的に夜間のみ使用し、ガラリからの温風+基礎コンクリートへの蓄熱・ゆるやかな放熱で家全体を温めるという使い方になると思います。
床下エアコンって実際どうなの?
実際に使ってみての感想ですが、率直に「とても快適」だと感じました。
わが家では上にも書いたように夜間運転による蓄熱・放熱がメインの使い方なので、18時以降に20℃を切ったらエアコンを作動させ、朝の6時には切るという運用にしています。天気がよく日射熱取得ができた日は24時前後、日射が少なく温度が上がらなかった日は18〜20時頃にエアコンをつけることが多いです。
以前に住宅展示場で体験した電気式の床暖房システムの「しっかり暖かい」のと比べると、床下エアコンは「ほんのり暖かい」という感じ。直接乾燥した温風が身体に当たることもなく足元からほんのりと温まり、エアコンを切ったあとも数時間はじんわりと暖かいですね。このあたりは蓄熱の効果なのだと思います。
最近1週間の実際の室温記録(上が1階東側、下が2階西側)。室温がぐっと上がっているのが日中に日射取得のある時間帯、一度下がってから少し上がっているのが夜間の床下エアコン運転時間になります。今日は天気予報に反して日射なし&冷え込んだので18時頃には珍しく19℃を下回りました。なお、床の暖かさには差を感じますが1階と2階で温度差はほとんどありません。
家の性能とエアコンのスペック
高気密校断熱の家ではカタログに書かれた畳数どおりにエアコンを購入するとオーバースペックになることはよく知られています。わが家では工務店に選んでもらったのでそのあたりのことは特に考えずに住み始めたのですが、せっかくなので家の性能とエアコンのスペックを整理してみました(マニアックな内容なので適宜読み飛ばしてください)。
実はわが家はC値以外のスペックはちゃんと聞いておらず曖昧なのですが、フラット35申請時の検査結果報告書によるとUA値0.5W/㎡K、熱損失量は240W/Kになります。各種サイトを参考に計算してみるとQ値(熱損失係数)は1.9になりますね。
【参考】熱損失係数(Q値)(W/m2K)とは|ホームズ君よくわかる省エネ
数値を整理してみて驚いたのは計画換気による熱損失量の大きさ!
工務店からコスト面でのメリットはあまりないと助言を受けて納得して第三種換気にしたので後悔はないですが、数値をみるとやはり換気による熱損失はもったいないな、、、と感じてしまいます。
このあたりの対策はまた別の記書きたいと思いますが、仮に換気量を半分に抑えてハニカムブラインドをしっかり使った場合にどうなるか、と考えて試算してみたところQ値は1.6になりました。不正確な部分もあると思いますがこれでHEAT20のG2グレードくらいですね。
以上のQ値(仮)をもとに最適なエアコンの暖房能力を調べてみます。
床下エアコンの生みの親(のお一人)である松尾設計事務所の松尾先生が提示したエアコンの適正サイズの計算方法によると、吹き抜けを含むわが家の暖房空間(126.68㎡)に必要な暖房能力は5.6kwになります。
床下に設置されているエアコン(富士通製ノクリア AS-V56J2)の定格暖房能力は6.7kwなので十分なの性能ですね。エアコンは定格能力を多少下回る出力で運転するのが最も効率が良いということなので、(当たり前かもしれませんが)わが家に最適なエアコンを選んでくれているんだな、再確認しました。
ちなみにQ値1.9で必要暖房能力を計算すると6.7kwとなりますので、24時間換気を回し続けてハニカムブラインドを一切使わなくても計算上の必要性能を満たしています。ただ、これだと真冬はエアコンが目一杯働くことになり消費電力が上がりそうですね。
住んでみて、そして数値を整理してみて、換気と室温(そして湿度)がいかに密接に関係しているかを実感しています。わが家でのこれらの管理はまだ模索中のところもありますが、その試行錯誤も含めてまたご報告できればと思います。
南面の窓はペアかトリプルか 真冬の日射取得と結露から考える
ペアかトリプルか
ペアガラスとトリプルガラスの窓の性能を比べると、一般的に断熱性能はトリプルが優れており日射熱を取り入れる性能はペアガラスが優れています。
パッシブ設計の考え方を取り入れている家の場合、南面の窓は日射取得を優先してあえてペアガラスにするケースも多いかと思います。
実際にカタログスペックから熱損失(窓から逃げていく熱)と日射熱取得(窓から入ってくる熱)の収支を計算してみると、熱収支はペアガラスのほうが勝っているようですね。
【参考】南面の窓はトリプルよりペア?日射熱取得型と遮熱型はどっち?
南面ペアガラスの家で真冬を迎えて
わが家も同様の考え方に基づいて、南面の窓は日射取得を優先したペアガラス(YKKAP製APW330・断熱Low-E)、その他の面はトリプルガラス(同社APW430・遮熱Low-E)となっています。
天気のいい日はできるだけ日射を取り込み、夜間や天気の悪い日はハニカムブラインドを降ろして断熱を補います。
陽射しをしっかり取り込めれば真冬のこの時期でも室温は26℃まで上がることもあり、夕方以降にブラインドを降ろせば日付が変わる頃まで無暖房で20〜22℃をキープできます。
天気の悪い日は1日ブラインドを降ろしていますが、夜間に床下エアコンを数時間動かせば終日室温20℃は維持できています。ハニカムブラインドの断熱性能は想像以上で、夜間に窓際に手をかざしても冷たさはまったく感じません。
この家で迎える初めての冬、ペアガラスからの日射取得+ハニカムブラインド+床下エアコンは非常に効果的な組み合わせであることを実感しています。
樹脂窓なら結露しない・・・わけではない
コストと日射取得が有利で不足する断熱性能はハニカムブラインドで補えるなら「ペアガラス最高!」となりそうなものですが、当然ことはそう単純ではありません。
冬といえば結露。ハニカムブラインドといえば結露。
「樹脂サッシであれば、高気密高断熱住宅であれば結露しない」というものでもなく、条件が揃えば物理現象として結露は発生します。
たとえば室温21℃、湿度50%の空気には1kgあたりに7.7gの水蒸気が含まれています(重量絶対湿度7.7g/kg)。空気に含んでいられる水蒸気の量は空気の温度によって変わりますので、もし室温が露点温度である10.2℃を下回ると保持しきれなくなった水蒸気が水に戻り結露が発生します。
私の住んでいる地域は真冬のこの時期、明け方の外気温はマイナス5〜6℃まで下がることがあります。外気温がマイナス3℃だった1月某日の朝、窓とハニカムブラインドとの間の室温を測定したところ4.7℃でした。室温は20℃少々、湿度は50%でしたので当然のことながら結露が発生します。
結露が生じないような環境は作れるのか
ハニカムブラインドをつけていると結露が発生しやすいというのはよく指摘されていることです。断熱性が高いが故の悩みですね。
一般的な対策は「ブラインドの下を少し開けておく」ことです。そうすることによって窓とブラインドの間の冷気を逃して露点温度を下回らないようにしようというものです。
私もまずはこの方法を試しましたが、結論としては今はもうやっていません。ブラインドの下の隙間から冷たい空気が床を這うように広がり、冷え性の私と家族には耐えられなかったからです。いわゆるコールドドラフトと呼ばれる現象ですね。
【参考】快適な温度を保って笑顔が集う住まいに! | YKK AP株式会社
次に試したのは湿度をできだけ低く抑えること。
加湿器は回さず、計画換気をしっかりと回せばわが家の室温20℃・湿度35〜40%(重量絶対湿度6g/kg以下)になります。ここまで湿度を下げると結露はほぼ防ぐことができます。が、当然のことながらちょっと乾燥した感じになりますし、感染予防の観点からもあまり低湿度にしておくのは好ましくありません。
冷気を我慢するか、乾燥を我慢するか。いっそのことハニカムブラインドを断熱性の低いロールスクリーン等に変えるか。
今のところわが家ではハニカムブラインドを床まで降ろしてコールドドラフトを防ぎ、加湿もある程度しています。つまり住み心地と健康を重視して真冬の間の結露は受け入れるという方針です。
真冬の1ヶ月間くらいのことと割り切って、最近はほぼ毎朝、ブラインドを開けて結露チェックして窓の下側にうっすらついている結露を拭き取っています。
結局のところペアかトリプルか
ここまで読んでくださった方に勘違いしないでいただきたいのは「高気密高断熱=結露しやすい」ではないということです。私が以前住んでいた低気密低断熱を地で行くようなアパートでは、今とは比較にならないくらい大量の結露が発生していました。高気密校断熱の家でも条件が揃えば結露は発生する、しかし高性能の家だからこそ氷点下の時期でも快適性を保ちながらこの程度の結露で済んでいるという話です。
もちろん南面の窓がトリプルガラスであれば結露発生のリスクは大幅に下がるでしょう。実際、南面以外についているトリプルガラスの窓に結露が出ることはほとんどありません。
日射熱取得やコストを優先してペアガラスを採用するか、断熱性能を優先してトリプルガラスを採用するか。結露を気にせずに湿度管理ができること、天気の悪い日も含めた室内環境の安定度を考えると、日射取得を犠牲にしてもトリプルを採用する家があるのも理解はできます。
もし私が今から選ぶとしたら・・・悩ましいところですが、やはりペアガラス+ハニカムブラインドを選ぶと思います。窓がどうあれ湿度管理は必要ですし、真冬の間だけ多少の結露を拭けば済む話ですので。
そもそもの話をすれば施主がペアかトリプルかを選ぶケース自体あまりないでしょう。高性能住宅を建てることのできる工務店等であれば、プロの目線でその立地と家に適した窓を選択してくれるはずだからです。
大事なのは結露が発生する理由や条件を知っておくこと。性能の高い家だからこそ理由や条件を絞り込みやすく、ある程度のコントロールが可能です(以前の性能の低い家では悪条件が多すぎてコントロールしようという気にもなりませんでした、、、)。
少しマニアックかもしれませんが、勉強しながらこうやってより良い住まい方を考えるのも高気密高断熱の家の醍醐味だなと感じながら日々楽しんでいます。
このブログについて
このブログについて
いわゆる高気密・高断熱住宅に住み始めて半年少々が経ちました。
忘れっぽい質なのでせっかく試行錯誤したことはメモに残そうと思い書き始めたものですが、どうせなら他の皆さんがされているように・・・と色気を出して公開に踏み切った次第です。
家を作っていく過程を見せるリアルタイム性はありませんが、住んでみて気づいたことや悩むこともたくさんあります。このブログではそうした気づき、より良い住まい方を目指した試行錯誤などを発信できればと考えています。
家ができるまで
戸建てを新築しようと決め、以前にTVで見たことのある「パッシブハウス」という言葉を手がかりに土地と工務店探しを始めたのが2019年の秋頃。
そのころ急激に増えていた建築系のYoutubeで勉強を重ねながら数社の住宅展示場やモデルハウスを巡り、幸いにも信頼できる工務店に巡り合うことができました。
翌年4月には難航していた土地探しも無事にクリアし、打ち合わせを重ねて同年10月に着工、翌年3月に引き渡しとなりました。
新型コロナの感染が拡大するなかでの家づくりでしたが、その後のウッドショックや半導体等の供給不足の煽りを受ける前に完成することができたのはある意味ラッキーだったと思います。
家の性能など
住み心地がよく、災害に強く、ランニング&メンテナンスコストが控えめであることを重視した家となっています。
省エネ基準地域区分では6地域となりますが、夏は40度を超え、冬は氷点下5〜6度まで下がることもあります。日当たりがよく日射取得には有利ですが、風が強く乾燥しがちな立地です。
在来軸組工法による2階建て38坪
・耐震等級3(構造計算による)
・C値0.15
・UA値0.5
充填断熱+屋根・基礎断熱
・外壁:高性能グラスウール充填120mm
・屋根:セルロースファイバー260mm
・窓:APW330(南面)、APW430(南面以外)
・その他:アウターシェード、ハニカムブラインド
空調と換気
・暖房:床下エアコン
・冷房:小屋裏エアコン
・換気:第三種換気
自然素材メインの仕上げ
・外壁:杉板、ガルバニウム鋼板
・内壁:珪藻土、ビニールクロス
・床:アカシア無垢材、クッションフロア
第三種換気のフィルターを交換する
2021年5月に入居してから初めてのフィルター交換を実施しました。
わが家の換気システムは最もシンプルなダクトレスの第3種換気。
トイレ等のファンから排気し、その分の外気が数カ所の給気口から自然に入ってきます。
給気口は1階に2ヶ所、2階に3ヶ所の計5ヶ所。
それぞれに花粉などを濾過するフィルターが入っています。
フィルターの品番はパナソニック製のVB-YA100PM。
今回は送料回避のために10個をまとめて発注しました。
写真左が外からの粉塵を7ヶ月間ガードしてきたもの、右が新品。
PM2.5まで対応するみたいですが、しっかり仕事してるのがわかりますね。
汚れ具合からすると半年に1回交換するペースがいいかな、と考えています。
第三種換気はシンプルな分、手入れが楽で低コストなのがいいですね。
交換時期を忘れないようにするためにGoogleカレンダーで管理することにします。